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 学校法人東京女子医科大学 特例子会社

TEL 03-5155-1095

東京都新宿区若松町10-2東京女子医科大学健保会館1階

ハートサービスの挑戦

キャスト対談 第3弾

キャスト Sさん × 指導員 岡本さん



岡:よろしくおねがいします! 
  Sさんは初期メンバーということで昨年の3月から就職されているわけですが、
  新しい人も12月と4月に入ってきて、激動でしたよね。一年振り返って、どうでしたか?

S :本当にあっという間でした。
  夏はシュレッダーが大変でした、暑くて暑くて。
  それと、私はメール便の担当なのですが、全て覚えるのに5カ月くらい掛かりました!
  若いキャストはすぐ覚えたみたいですが、年のせいですか覚えるのに必死でした。
  間違えると各所属に迷惑が掛かるし、
  他の医局に入ってしまうとそこでまた医局の方に迷惑をかけるので。
  それと、ハートサービスに入って初めてパソコンに触れたんですが、
  まだ1年しかたっていないので、それも大変です。
  まだまだ苦手ですけど、楽しくなってきています。

岡:プライベートのほうではどうですか?

S :一緒に入ったキャスト同士、苦楽を共にして絆が深まりました。
  親子くらいのキャストとも休みのたびに出かけたりして、プライベートは充実しています。
  人間関係に恵まれたことは、本当に心から良かったなと思っています。
  キャストも指導員の方も、本当に恵まれています。
  実は、就職活動をして94社目で就職が出来たんです!
  年齢も高いし、どこに行っても必ずパソコンスキルを求められるので、
  かなり厳しいものでした。

岡:パソコンも上達して、間違えてもちゃんとメモを取って学習していますよね。

S :作業所の支援員さんには、必ずメモを取るように厳しく言われてきましたから。

岡:これからどんどんパソコンのスキルは伸びるので、大丈夫!
  それにしても、94社目というのは、大変でしたねぇ。

S :落ちるたびに、就職活動がどんどんイヤになっていきましたけど、
  作業所の支援員から「合格できたところは、坂本さんの使命があるところだから」と、
  叱咤激励されました。結果としてここに入れて、本当に良かったです。
  良い出会いがありましたし、特に最初の初期メンバーとは、戦友であり家族ですね。
  何もないゼロの状態から始めて、苦楽を共にしてきましたので。

 S :人に言えない事を相談にものっていただいて解決もしてきましたし、
   この一年、プライベートで嫌なことがいっぱいあって、
   自暴自棄になったこともありましたけど、
   相談にのってもらえたことで、なんとか乗り越えてこられました。
   この間はインフルエンザになってしまったんですが、
   皆から「待ってます」「がんばって!」というメールが来て、
   心から感動しました。


岡:ハートサービスに入る前は、Sさんは何の仕事をされていたんですか?

S :父親と一緒に喫茶店を営んでいたんですが、
  場所が巣鴨だったので、老人の町に喫茶店は合わなかったみたいで……廃業しました。
  その後は、大手運輸会社に契約社員として就職し、宅配便の仕分け梱包をやっていました。

岡:そこでの経験が、今のメール便でもいかせているのかもしれませんよ。

S :間違えると迷惑が掛かるので、しっかり確認しながらやる癖はそこで付いたものですね。

岡:立ち入ったことを伺いますが、色んなお仕事を経験されてきて、どこで体調を崩したんですか?

S :今まで一緒に父とやっていた喫茶店が倒産してしまったこと。
  それと、不幸なことは色々続くもので、
  喫茶店の頃のお客さんから紹介されて入社した大手運輸会社で、
  パワハラって言うんですかね。
  2年間にわたって、嘘のうわさを大げさに流されてしまったんです。
  それが原因でしょうか……。

岡:そこの会社では、人間関係にかなり悩んだんですね。

S :日本はまだまだ障害に対する理解が乏しいですから。
  障害者を見下しているというか……同じ人間なのに。
  今住んでいる都営住宅では、障害者が多いこともあって、
  けっこう理解がされていることは恵まれていますね。

岡:少しずつでも理解が深まっていかないと、まだまだ生きにくいですよね。

S :障害の内容について、間違った見識でみている人が多いのは事実です。
  障害者というだけで、腫れ物に触るような扱いをされるのは辛いですね。

岡:障害について解らないと、どう接して良いかわからないという人も多いですね。

S :それで悩んでいる障害者はとても多いです。
  もう少し、理解を深めていってもらいたいというのが本心です。

 岡:みんなと同じなんだっていう事を、理解してもらいたいですね。
   ハートサービスで色んな作業をしていく中で、
   障害者でもあらゆる仕事が出来るんだって事を広めていきましょう。

 S :「ハートサービスに依頼して良かった」と思ってもらえるような
   仕事を心掛けています。

S :確かに車イス清掃は大変ですけど、
  私たちが磨いた車イスを患者さんが喜んで使ってくれたり、
  看護師さんから「いつもありがとうございます」って声をかけて貰える事が、
  本当にうれしいですね。看護部や社会支援部、保育所、総務や人事のお仕事など、
  たくさんの仕事をいただいていますが、
  そのひとつひとつが世の中の役に立っていることを実感します。
  また、その「ありがとうございます」の一言がとてもうれしいんです。

岡:感謝の一言で、やりがいって実感できるんですよね。

S :毎朝、「自分にしか出来ない使命をしにいくんだ」という気持ちで出社しています。
  ずいぶんかっこつけた話ですけど(笑)。

岡:社会貢献していることを実感できているからですよ!

S :これからは、ハートサービスを背負っていく若い世代に育っていってもらいたいですね!
  若い人の成長が楽しみです。
  緑のエプロンはハートサービスの看板ですし、もちろん私もまだまだがんばっていきます。

岡:新人にも良く気をかけて声掛けしてくれていますもんね。いつも助かっています。
  これからまた新しい人がどんどん入ってきますが、Sさんの存在はとても大きいので、
  これからもよろしくおねがいします。楽しい職場にしていきましょう。

S :チームワークを大切にしていきたいですね。
  効率を求めつつ、仲良く仕事が出来る会社にしていきたいです。
  仕事とプライベートのめりはりをつけて、2年目の新生ハートサービスにしていきたいですね。

岡: ありがとうございました。

S : これからもよろしくおねがいします。

東京女子医科大学大学ニュース 2014年4月 第733号より